遺伝子から治療をする「核酸医薬」
急激に進化をしている製薬業界ですが、中でもここ近年最大の発明とされているのが「核酸医薬」という方法です。
「核酸医薬」とは簡単に言うとDNAやRNAという人の遺伝子部分に薬剤によって影響を与えることで病気に対しての抵抗力を強めるという方法を使用するものです。
私達が普段使用している薬品には大きく三種類があり、それぞれ「低分子医薬」「抗体医薬」「核酸医薬」と分類されています。
市販薬など一般に使用されている薬品のほとんどは「低分子医薬」であり、体内に入った時に特定の受容体と結合することによりある変化が体に起こったのと同じ状態を引き起こします。
次の「抗体医薬」とは抗癌剤などに広く使われるもので、体内に入ると特定の細胞にだけ攻撃をするという特殊な病気の治療に用いられます。
そして最後の「核酸医薬」ですがこれはこれまでの二つとは全く違った概念から生まれたもので、そもそも人の体を構成している細胞のもとに変化が起ることにより、そこから病気の原因になるタンパク質が生成されるのを防ぐことができるとしています。
この「核酸医薬」の原理を発見した科学者がノーベル賞を受賞したことにより、今後より多くの難病に対応できる薬品の生成が期待されています。
治療可能とされてきた病気にも効果が
まだ使用されてから間もない「核酸医薬」は、加齢黄斑変性症の治療薬など特定の分野でのみ使用されるにとどまっています。
ですが研究が進められている病気の中にはエイズウイスルなどこれまで治療が不可能と思われてきたようなものもあり、技術が確立することにより飛躍的に治すことのできる病気を広げられるといいます。
現段階ではまだ完全に技術が安定しているわけではありませんが、今後世界中で実験が重ねられていくことにより近い将来多くの病気がこの医薬品によって治療をされていくことになるでしょう。